1番最初にやるべきは、「先例」を調べ、参考にすることです。
「参考」「参照」「引用」とは、真似のことではありません。
「先例」を知らなければ、逆に、同じことを、しかもまずく書いてしまって、結局、猿真似の類になってしまうのです。
「先例」に学びながら、それに「あるもの」を付け加えてゆく、というのが調査の1番目の意味です。
さらに、「先例」を調べることで、誤った理解を事前に防げるのです。
「先例」は、成功よりも、失敗に満ちています。
その「失敗」には、共通の型があります。
つまり、誰でも、自分も、簡単に陥る型です。
それを避けるという意味でも、「先例」の調査が必要になるのです。
したがって、参考文献、資料、データの探索と参照が不可欠になります。
問題は、たくさんある参考文献や資料集から、どのようにして適切なものを選び出すか、ということです。
これには、決まった解答はありません。
ただし、いくつかの「定則」はあります。
(1)大切なのは、事前に、調べすぎないことです。
基本的な部分を調べたと考えたら、コンテ(内容の概略)を書いてみます。
あるいは、書きはじめます。
書き出すと、むしろ、問題の微妙な焦点が浮き出てくるのです。
調べるべき「内容」がかたまってくるのです。
必要とすべき参考文献やデータがわかってくるのです。
(2)参考文献、データは、あくまで、参考にするためのものです。
それにもたれかかるのは、慎むべきです。
むしろ、それらは、自分の行論の補強物だ、という程度に考えてください。
(3)問題別の、基本参考文献・資料・データ集は、市販の形でも、各種揃っています。
いちばん役立つのは、その問題をポピュラーな形で的確に述べている評論家が、参考にしている文献やデータに注目することです。
専門家が依拠している文献やデータを調べるよりも、ずーっと効率的で、的確です。
例えば、立花隆が調査した分野の本は、全部、参考になります。
取材の方法もわかりますよ。
(4)最後にいいたいのは、いま自分がやっている仕事に直接関連がなくても、新聞や週刊誌で気づいた「最新」の興味ある記事を、ファイリングすることです。
「過去」の重要な記事やコラムは、きちんとした形で、「公的」にファイリングされてゆきます。
しかし、1番新しいものは、すぐに消えてゆきます。
形として残り難いものです。リライト専門家によると、ファイリングしすぎないことです。アンテナにピッと引っ掛かったものだけでいいのです。大部分は、無用のものとなって、記憶から消えてゆくものだ、という程度に考えてください。
2012年1月アーカイブ
続きを読む: 「先例」を調べ、参考にすること(遠藤泰男)
