2010年11月アーカイブ

 シカゴには数年前、リライトクラブのシカゴ支店長として舞い戻った。過去十年のうち六年はシカゴで過ごした計算になる。海外生活には慣れたつもりでも、新しい発見をすることがまだ多い。

 シカゴといえばマイケル・ジョーダン率いる「シカゴ・ブルズ」が有名だが、先日、その試合を見に行って興味深い場面に遭遇した。試合前のざわざわしている会場に汚いジーンズ姿の白人男性が登場し、コートの上で突然、国歌をアカペラ(無伴奏)でジャズ風に歌い始めたのだ。

 有名な歌手とは思えないのだが抜群にうまく、国歌斉唱のために起立して国旗を見つめる観衆はしばらく静まり返った。その後は、声援と口笛が飛び交う大騒ぎだ。会場が「国旗」と「国歌」に興奮し一体になるのを目の前にし、アメリカ人の国への忠誠心に肌で触れた気がした。

 米国は異なる文化を背景に持つ多民族の集合体だ。「国旗」は異なる民族が集合するためのシンボルとして重要な役割を果たすのだろう。

 この多民族社会で生きるアメリカ人にとって「契約」はなくてはならないものだ。「一を知って十を知れ」的な社会で生きる日本人と違い、「何もそこまで」というほど細かい契約が交わされる。

 契約の怖さを知ったのは一回目の駐在が終わりに近づき帰国が決まった時のことだ。アパートの契約期限まで五カ月が残っていたが、途中で引っ越さなければならない。当然解約できて、アパートを出た時点で家賃の支払い義務はないと思い込んでいたが、「契約は契約」と支払い請求を受けた。いろいろと交渉したものの結局は支払わなければならなかった。

 日本的に「まあまあ、今回はよろしいでしょう。次回からは気を付けて」という融通はきかない。米国社会のルールを知らないと痛い目に遭うことも多い。

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